豊作と凶作を分ける時期

今はまさに、パッションフルーツの豊作年と凶作年を分ける時期ではないかと思います。

豊作凶作は気温に左右される

今の時期は、パッションフルーツは伸び盛りで、開花を繰り返し果実をつけながら多くの花芽を萌芽させている場合が多いでしょう。ここで我が家の主なパッションフルーツを見てみましょう。

まずは、土耕株と水耕株を這わせているグリーンカーテンでは、20150620土耕&水耕画像を見てもわかりませんが、土耕の株に4個の果実がぶら下がっています。水耕の方は、果実こそまだなしですが、伸び盛りの時期だからなのか、水耕栽培装置のウェット&ドライ化の改造が功を奏したのか不明ながら、これまでの不調を脱したようで、元気に伸びだしています。
土耕株、水耕株の双方に言えることは、多くの花芽が付いているということです。つまり、その花芽が実を結ぶならば、4個という現在の結実数はごく一部でしかありえないということになるのです。

リビング前のグリーンカーテンは、20150620グリーンカーテン何回数えても数が一致しないので自信ありませんが、幅2.6mのネットに大小40個くらいの果実がぶら下がっているようです。
このグリーンカーテンは、20150620若い蔓6月2日に大規模に摘芯したのですが、コナカイガラムシの大量発生により新芽の成長にストップをかけられてしまうという誤算があったのです。しかし、その後憎いコナカイガラムシも退治し、摘芯により萌芽した新芽や蔓も元気を取り戻し、花芽を付けだしたものもあります。
摘芯の目的は収穫数を増やすことです。摘芯すると、少なくともいくつかの新芽が萌芽します。ですから、摘芯とはこれまでの数倍の収穫数を狙っておこなうものであると私は理解しています。
つまり、摘芯によって誘発させた蔓が思い描くとおりに実を結ぶとすれば、現在までの約40個という果実の数は全体として得る果実数のごく一部でしかなくなるのです。

黄果皮ジャンボ、赤紫果皮ジャンボ、エドゥリス黄実と、大実系のパッションフルーツを這わせている棚では、20150620黄果皮ジャンボの蕾ジャンボ系の蔓に蕾が連なってきましたが、このような蔓はまだ主幹の蔓に限られています。今後分岐している蔓にも盛んに花芽を付けていくことでしょう。夏型ですので、全てはこれからにかかっています。

ここで問題なのは、※花芽は高温に弱いということなのです。例えば、摘芯によって、多くの有望蔓を得て多くの花芽が付いたとしても、30℃以上になる日が続けば、花芽は黄色くなって落ちてしまいます。(一般にパッションフルーツが梅雨明け後の夏本番の時期に開花しないのは、この性質によります。)
思い出せば、昨年の梅雨は異常な気候で、6月に入っていきなり猛暑日、その後も晴れれば真夏日ということを繰り返し、梅雨明けは7月22日でありながら、我が家のパッションフルーツの最後の開花は7月9日でした。通常であれば、梅雨明け直前の時期に開花のラッシュを迎えますので、その13日間を失った影響は大きかった筈です。また、最後の開花が7月9日だったことから逆算すると、6月中旬以降の花芽が全滅だったことになります。私の住む地域では、昨年は凶作年だったと言えるでしょう。
豊作年となるには、最低気温20℃以上、最高気温25℃~28℃の時期が長くなるのが理想です。ただし、気候が相手では祈ることくらいしかできないのですが。

※黄果皮ジャンボ、赤紫果皮ジャンボ、エドゥリス黄実に関しては、梅雨~夏に花芽を付けている状態を経験したことがないため、それらの花芽が高温に強いのか弱いのかは未確認です。

人為的なミスによる凶作

ここまで述べたように、これから梅雨明けまでの約一月は、果実の収穫数に大きなインパクトを持つ時期です。
理想的な気候であれば、現在の数倍の果実が手にはいることもあるでしょう。
しかし、その前提としまして、『殺虫剤の誤使用をしない』ということが必要です。
梅雨時と言えば、なにかと害虫のつきやすい時期です。我が家ではコナカイガラムシに悩まされました。
できれば、薬品ではなく、害虫を手で取る『テデトール』が理想なのですが、そうもいかない場合が多いでしょう。
殺虫剤には、効果的に害虫を駆除するために、マシン油を殺虫成分と同時噴射し、空中配合しながら害虫のいる部位に吹きつけるタイプのものがありますが、このマシン油がくせものなのです。マシン油は植物へ吹きつけられた部位をコーティングしてしまいます。したがいまして、パッションフルーツの新芽に噴射すると、その成長は大きく阻害されます。パッションフルーツの果実は、新芽が伸びた若い蔓の先端についていく花芽の最終進化形ですので、新芽の停滞は大きなロスとなります。もっとも、こういった殺虫剤の性格は、使用の注意書きに書いてあるのですが、私などは謳い文句の効果面だけを見て、注意書きを詳しく読まず買い求めてしまうのです。幸か不幸か、家での使用直前に(虫メガネを使って)注意書きを読みましたので、パッションフルーツには使用することなく小屋に眠っており、事なきを得たのですが。
一般に、マシン油を使用する殺虫剤は、成長期を避けながら樹木に対して使用するもののようです。まぁ、庭木に使うとしましょうか。

また、収穫数とは無関係になりますが、薬剤を使用する際には、人への薬害を避けるために収穫直前の使用はできない場合が多いので注意が必要です。一般には収穫前20日以内での使用は危険なようです。私は、安全をみて、収穫前一か月の使用は控えようと思っています。


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