パッションフルーツを大きく育てることは難しくありません。パッションフルーツは、水持ちが良く同時に水はけの良い用土を好みます。それと、肥料食いと言われているので、多めに肥料を与えます。私は、植え込み時にマグァンプKを元肥として与え、週に一度ハイポネックス原液を1.000倍に希釈して追肥しています。とはいえ、植物を育てた経験のある方であれば、大きな失敗はないでしょう。
しかし、パッションフルーツの実を採るとなると、事情は少し異なってきます。『花は付くが実が付かない』という方が多いようです。その中には、育てているパッションフルーツが、他種の花粉を要する自家不親和性種である場合もあるでしょう。例えば、黄色種では、紫系の花粉が必要です。ホームセンターで売っている苗を見ると、黄色種を見かけることがあります。また、紫種のような自家受粉種では、一本の苗でも実を付けるのですが、それでも同じ悩みを持たれている方がいらっしゃるようです。
なぜでしょうか?
パッションフルーツは南米を原産地とする植物なのですが、一日花であることもあり、日本には、効率良く授粉を媒介する虫がいないのです。葉の付け根や蕾にある蜜腺でアリを呼び込むのですが、どうもうまくいかないようです。
そのために、授粉を虫に任せっぱなしにすると、実の収穫は激減します。畳2枚程度の面積のグリーンカーテンでも、数個とか0個というような結果になるようです。
以下、授粉を成功させて果実を結実させるのに必要なポイントを示していきます。
ポイント1:私のやっている授粉方法
パッションフルーツの虫授粉は望めないとお考えください。そこで、人手でおしべの花粉をめしべに付けてあげる人工授粉が必要になるのです。いろいろな方法を試したのですが、9割以上授粉を成功した方法をご紹介します。
まず、パッションフルーツの花の構造について説明します。上の写真の赤矢印で指示した3つがめしべで、授粉成功すると実になる子房から3本出ています。おしべは、子房の下から放射状に5個出ています。写真の角度ですと、おしべの下面に黄色い花粉が付いています。
あとは、如何におしべの花粉をめしべに運ぶかですが、左の写真のように、ピンセットでおしべの端をつまんで、おしべを引きちぎります。引きちぎるというと乱暴なような気もしますが、軽く引っ張るとすぐに取れます。
最後に、ピンセットでつまんだおしべを3つのめしべ全てにこすり付けます。花粉を麺棒に取って、めしべに付ける方法もありますが、おしべを直接こすり付けるこの方法の方が、たっぷりの花粉をめしべに付けることができて失敗が少ないです。
ポイント2:授粉にはタイミングがあります
授粉のタイミングは、開花後1時間~2時間後が良いとされて【2015.06.14訂正】いますいるようですが、気温や日照時間などにより結果が異なることも考えられるものの、私の確認によると、17:30分頃(開花後約8時間後)でも100%結実しています。サンプル数が少ないのですが、19:00頃でも結実しています。但し、開花から授粉までの時間が長いと、雨に降られるリスクも高まりますので、その観点から受粉体制が整う開花後1~2時間後が理想と言われているのかもしれません。【以上2015.06.14訂正部】(開花時間は種によりほぼ一定しています。紫は9:30~10時頃、黄色などの大実系は14時頃)。開花後一定時間を経過すると、(めしべなのか花粉なのかは不明ですが、)生殖能力が失われるようです。開花直後のめしべは一番上の写真のように立っていますが、花粉の受け入れ態勢が整うと、この写真のようにおしべに近づきます。それが授粉タイミングの目印になります。
ポイント3:雨対策が必要です
他の植物でも見られる現象ですが、開花からの所定の時間内に花が雨に打たれると、花粉が雨で流されてしまい、実を結ばないということがあります。ですから、開花時の雨に対しての注意が必要です。
授粉してから2時間以上経過していれば、雨に降られても問題ないようですが、開花前から雨が降っている場合には、開花前に雨対策を施し、授粉後2時間以上たったら、雨対策を取り外します。
私がいつも注意しているのは、これらの三つのポイントです。尚、授粉成功の見極めは、授粉の翌朝に可能です。
【参考】パッションフルーツには、結実しない花と結実する花があります。結実しない花は一般的にまれですが、人工授粉する前に両者を分別することも可能です。
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【2014.07.20追記】今年の現在までのデータから、
{結実数÷(開花数-結実しない花の数)}×100の計算をしますと、
{49÷(89-40)}×100=100となっています。
つまり、実を付ける能力のある花に対しては100%授粉成功したと言えます。
(結実しない花の割合が多いのは、二年目の株が主力のためか今年の梅雨に真夏日や猛暑日があった気候のせいかは不明ですが、異常値と思われることを付け加えておきます。)
パッションフルーツの受粉は開花後雌しべが雄蕊の所までそれ返り自然受粉します。風が吹いていると雄蕊が揺れ受粉確率は100%近くなります.
開花雌しべが後全く反りかやらない場合人工授粉しても結実しません、60度位反り返った場合に人口受粉して受精する割合は3~40%ぐらい。
風や虫といった偶然性に頼らずに、多量の花
粉を雌しべに授粉することを前提と考えれば、
人工授粉することが理想です。
60度くらいという、中途半端な反りの雌しべは、
一般に未成熟な雌しべであって、私の経験の
中では、結実したことがありませんが、種や
環境の違いも考えられますので、私の経験の
中で結論を断定することはできません。
このようなケースであっても、授粉成功の確
率は0ではないのですね。
情報およせくださいまして、ありがとうござ
いました。
私がパッションフルーツに関わってから、3年目の夏を迎えます。初めはEdulisで1年目はたったの1個、2年目は前年冬に暖かい部屋で越冬したのですが、4月に入り植え付けた後、大事にしすぎてどうも肥料や水のやり過ぎで、それと根が鞭のように太く、栄養を取る毛根が切れたせいもあり、根腐れして全滅でした。片方だけ生き残り、挿し木にしました。同時に、昨年8月に、雑種のSummer Queenを2株購入し、2種類とも越冬しました。
さて、やはり素人です。土を耕したのは良いですが、当初はEdulisが開花してましたが、途中から花に芯が枯れて(フォト添付)、もうだめかと思いました。が、皆さんの肥料のことを読んでガーデンべジブルや、リンの多い肥料を与えました。当初は肥料灼けの傾向はありましたが、ここに来てSummer Queenは立ち直りつつあります。また、Edulisも遅まきながら立ち直りかけてます。
最後に、私のパッションは開花率が極めて低いので、時計草の花粉まで試みましたが、全滅でした。ここで、耳寄りな話をお伝えします。(知らないのは私だけですかね?)
一輪だけ咲くような事態が続いたとき、新しい試みが成功しましたのでお伝えします。最初の花は致し方ありませんが、このとき雄蕊をサランラップに包み、真空パックに入れ、冷蔵庫のチルドで保管した雄蕊をその7日くらい後に咲いたパッションに受粉したところ、見事に結実しました。
とは言え、我家のパッション100個の夢はいつのことやら。
ただ、これだけは言えます。原種のEdulisよりも、雑種のSummer Queen の方が丈夫です。さらに、大きいです。動植物に共通する定理でしょうね。