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2013年パッションフルーツ育成回想記

ゴールデンウィークに近所のホームセンターを散策。¥580也の苗を発見。ゴーヤの苗と比べると5倍程度と高価です。ポットに挿してある札には、『パッションフルーツで緑のカーテンにチャレンジ、もちろん果実は生食、ジュースに』という文言と、『市川園芸』という生産者の表記。更に、『花と実が付きやすい特選苗』とのことでした。それらから、実の収穫ができる手のかかった苗だと推察し、4本購入、早速グリーンカーテンのセッティングにかかる。
グリーンカーテンセッティングどういった苗が理想なのかわからず、伸び伸びした三本と、背は低いが(葉と葉の間隔が詰まっている)ガッチリタイプの一本を購入。ひょろひょろに見えても、伸び伸びタイプの方が成長が早く、大きく育つようです。冬越し用の鉢への植え替えのときにわかったのですが、向かって右のプランターでは、右の伸び伸びした苗の根のはりがすさまじく、背の低い苗は十分に根をはれず負けてしまっていたようでした。パッションフルーツのような蔓性植物では、伸び伸び度でその時点の成長具合がわかるようです。

一つのプランターに二本の苗を植えたのは失敗だったようで、左のプランターでも、向かって右の苗はグングン育ったが、左の苗は今一つでした。一プランターに一苗でないと可愛そうだったと反省。

用土は、『グリーンカーテンの培養土』いうものを購入。有機肥料分に加え、赤玉土が混ぜられていました。パッションフルーツは、水を欲しがる植物ですが、根腐れは大敵です。その点、水持ちと水はけを両立した適切な用土でした。

肥料には、ハイポネックス原液を使用しました。匂いもしないのでグリーンカーテンへの使用が可能です。週に1回、適量与えると、てきめんに蔓が伸びます。なかなかこれほど効く肥料も無いのではないでしょうか。

プランターのサイズは一般的に40ℓくらいが良いとされていることを後で知ったのですが、我が家のものは30ℓ弱です。プランターの容量不足はハイポネックスの効きでかなりカバーできたと思いますが、もう少し大きなプランターが理想だったかもしれません。

さて、その後の成長ですが、植えつけ10日後くらいが下の写真です。植えつけ10日後4本の苗とも、延びたようには見えません。気温などの条件がまだ整わないようですね。

苗を植えてから約一か月が経ちました。6月に入ると、元気な苗はすくすくと育ってきました。植え込み一か月ただ、一本だけはほとんど育っていません。左のプランターでも二本の苗の育ちに差が見られるようになってきました。この時点で、一つのプランターに二本の苗を植えることは避けた方がよさそうだと気付きましたが、そのまま経過を見守ることにしました。

蕾これは、上の写真の一部の拡大写真ですが、元気な苗には、このようにたくさんの蕾が付いています。6月になり、太陽がさんさんと降り注ぐようになるとともに、パッションフルーツが生命の素晴らしさを教えてくれているように感じてきます。

2013初開花6月3日、私のパッションフルーツ栽培経験の中の初開花に感動です。目に見える動きとともにあっという間に開きます。サブメニューの動画を見ていただくと良くわかりますよ。

開花時間は決まっていて、この紫種では、10:00~11:00くらいです。因みに、黄色種では14:00頃の開花を確認しました。

6月も中旬に入ると、成長に加速がかかり、多くの実や蕾が見られるようになります。

6月中旬のパッションフルーツただし、右のプランターの成長が見られない苗はまったくダメですね。もはや、元気な苗の根でぎっしりなのでしょうか。

パッションフルーツの実上の写真の一部の拡大ですが、結実していることが確認できます。パッションフルーツでは、虫による受粉はほとんど期待できないため、人手で花粉をメシベにこすり付ける作業(=人工授粉)をすることが理想的です。虫受粉だけに頼ると、年に数個というレベルの収穫しか得られないようです。多くの実を実らせるためには、人工授粉は必須です。いろいろ人工授粉を試行しまして、成功率の高かった方法をご紹介しておりますので、宜しければ、お勧めの人工授粉方法をご確認ください。

熟した実開花時期には、梅雨明け前までのⅠ期と、秋になって気温が下がってくる9月10日頃からのⅡ期がありますが、温室を持たないような一般的な環境で実を収穫可能なのはⅠ期の花だけなのです(秋の花は、日本の環境では実の育成過程で気温が低下するために、熟さない)。その開花ピークは梅雨明け直前の頃で、最大十個程度の花が一日で咲きました。これらの花に対して、確実に人工授粉を成功したいところです。

熱帯性植物でありながら、夏本番となると開花を停止する。そこがパッションフルーツの難しさであり、面白さでもあるのですが。

受粉に成功すると、60~70日で実は収穫できます。つまり、8月の中旬~9月の中旬頃が収穫のピークになります。収穫が近くなると、紫に色付いてきます。自然落下か触れた程度で取れるならば収穫時です。

その頃のグリーンカーテンの様子は下の写真のとおりです。9月のグリーンカーテンの様子

梅雨が明け、夏本番となるや、開花が止まるのに反し、蔓はよりいっそう爆走します。このあたりの育ち方はまさに熱帯植物のそれと言えるでしょう。一日に30cmと言っても過言ではありません。

だた、このグリーンカーテンの様子を見ても、2014年に持ち越す反省点があります。写真をよくご覧になられるとお気づきかと思いますが、グリーンカーテンの上の方は非常に葉っぱが茂っていますが、下の部分はスカスカになっているのです。できるだけ全面均一が理想ですね。それは、植え込み時に上向きに誘引してしまったことが原因でしょう。下部については、極力横方向に誘引すべきでした。2014年のグリーンカーテンでは、是非この点を考慮したいです。

一シーズンパッションフルーツを栽培して、6月~梅雨明け前までに開花した花しか収穫に至らない点が、この植物独特の難しさであることがわかりました。ならばどうするか。私は考えました。答えはこうです。『いかにその期間に沢山の花を咲かせるかが、多くの実を収穫するための勝負になる。』2013年の樹を冬越しさせ、巨大苗として2014年のグリーンカーテンに使うことにより、条件が揃った時にいっきに多くの花をつけさせる。2013年にホームセンターで購入した小さな苗と比較すれば、桁違いの総蔓長さとなる筈で、それに比例して猛烈な数の花が得られるのではないでしょうか。同様な観点から、初年度から多くの収穫を望まれる場合には、できるだけ大きな苗を入手されると有利です。【2014.04.15追記、参考】冬越し中の株に関する記事

とはいえ、私たち5人家族は、初めてのパッションフルーツ栽培シーズンに30個程度の実を食べました。通常、人工授粉という概念に至らず、虫受粉に頼り、収穫無しとか数個という方が多いのではないでしょうか?そう考えると上出来だったかもと思っています。その中でお役に立てるお話をご提供し、皆様にも美味しいパッションフルーツを食べていただきたいと思っています。その美味さを知った私は、2014年はズバリ200個?などと考えているんです。パッションフルーツの実