東北や北陸もきょう梅雨入りしたようですが、関東では梅雨が本格化してきたのか、暖かな太陽が恋しくなる梅雨寒な日になりました。
きょうの我が家のパッションフルーツ棚には三つの花が咲きました。
梅雨の時期のパッションフルーツは、生育旺盛で、多くの花を咲かせるようになっていきます。
しかしながらこの時期の多雨は、それらの花の結実を大幅に激減させる原因となります。
このため、多くの収穫を望むには授粉時の雨対策が必要なのです。
そこで、この記事をパッションフルーツの雨対策例として参考にしていただければと思います。
雨をしのぐ
花が一つ咲いた株の上と、
二つ咲いた株の上に傘を設置しました。
傘は、棚の上部のネットの目に下から差し込むようにして、ネットの上で開きます。ここでミソなのは、青い物干しが錘として傘に下げられていることでしょうか。錘がないと、傘は容易に風にあおられて花に雨が当たってしまうのです。これは、実際に傘が風にあおられるのを見て、思案した結果思いついたものです。雨の日にはお役御免のアイテムを活用するのですから、ある意味合理的です。もしこれで授粉がうまくいくならば、我ながら、それなりに役に立つアイデアと言っても良いのかもしれません。
チェック柄の傘はわかりやすいですが、もう一方の株には透明な傘がかけてあります。
雨対策のタイミング
最も大切なのは、『花が咲いてから雨対策しても手遅れです』ということを頭に入れておくことです。
その為には、いつ咲くかを予測しなくてはなりません。その”いつ咲くか”には、今日咲くのか、明日咲くのかといった咲く日のタイミングと、その日の何時頃咲くかというタイミングの二つがあります。
今日咲く花は、早朝(外が明るくなっていれば可)に蕾を観察して、この蕾のように先端が開きそうになっており、白く見えるならば、それは”今日咲くサイン”ですので、これを確認すれば、当日開花することは確定です。
今日咲くことがわかった早朝の時点で、天気予報を確認し、雨対策を施しておくことが理想ではありますが、『早朝から庭先でモゾモゾと動きまわるのは如何なものか?』とお思いの場合には、以下の、開花時間に少し余裕を持ったタイミングで対策されることをお勧めします。
開花時間は、種によりほぼ決まっています。気温が低いと遅れる傾向がありますが、9:00~10:30の午前咲きのものと、12:00~14:00の午後咲きのものがあります。ホームセンターなどでよく売られている紫系の種では午前咲きのものが多いですが、エドゥリス黄実やジャンボ系などの大きな実のなる種は、午後咲きです。
雨対策解除可能なタイミング
授粉後2時間が経過すると、成功か失敗かの結果が確定しますので、雨対策の解除が可能です。
結果はどうなるでしょう
実はこの棚には雨対策のパーマネントの屋根があったのですが、屋根が強風で崩壊するという事件がありまして、それ以来、(強度的に不完全な)パーマネント屋根の設置はやめているのです。つまり、今回のような傘作戦は始めてなのです。根拠はないのですが、現在の本心を語ると、この花を見る限り、授粉が成功する自信はあまりないのです。
開花すると、通常はクルリと回転し下を向く雄しべの黄色い花粉の付いている面が、上を向いたままなのです。いかにも湿気が雄しべの回転を妨げている印象があり、花粉も水を含んでいることが感じられます。
しかし、やらねば結果は観察できませんので、しっかりと人工授粉しておきました。なんとか雌しべに花粉は付いているようです。と、一縷の望みを持っているといった状態です。
今回は、傘と花の距離がありますので、雨が横殴りになることがあったならば、無意味な対策だったという結果につながるでしょう。
何れにしましても、皆様の環境の中でベストな方法を考えられることをお勧めいたします。
授粉失敗だったらゴメンナサイと前もってご了解いただかざるを得ませんが、後日授粉結果を追記いたします。
【2016/06/14追記】朝7時半頃、上の二枚の写真の花を確認すると、まだ花は開いていました。開花の翌朝には通常しぼんでいるのですが、稀にこういったことがあります(他の二つはしぼんでいました)。気温が低めの場合に、こうしたことを目にするように思います。
ところで、授粉が成功したかどうかですが、これは明らかに成功です。その判断をするには、根本から雄しべが放射状に延び、頂点から三本の雌しべが伸びている玉のような部分(=子房)の様子を見ます。
判断基準は、子房の色が薄緑色であり、開花時よりも少し大きくなっているかですが、この子房はその両方を満たしています。他の二つの花についても、子房に関して同様な状態が確認できましたので、授粉が成功していることがわかりました。
あとは、日に日に果実が大きくなることを見守りながら、水枯れが起きないように管理すればかなりの確率で収穫に至ります。