宮崎から当サイトにご訪問いただいた方からメールをいただきました。
パッションフルーツの水耕栽培についてご興味を持たれ、いろいろと調査されているということです。
「私も水耕栽培にはたいへん興味を持っているのですよ・・・」と返信させていただきましたが、その後、その興味は膨らむばかりです。
水耕栽培では、土のような障害物がないので、根は自由に伸びることができます。それにより、全体の成長も非常に早く、多くの実の収穫が望めるのです。最近では、良く育つ培養液も入手可能なようです。
今は、冬越し期間ですので、ハウスなど設置する余裕がない、ありふれた小さな庭でパッションフルーツを楽しむ私が、水耕栽培により、パッションフルーツをアクティブに栽培するような時期ではないと思いますが、来春には是非試してみたいと、構想図を書いてみました。
いろいろと調べると、水耕栽培には、培地からフェルトのようなものを培養液中に垂らし、毛管現象で培養液を上にある植物の根に吸い上げるようなものや、培養液中に根を直接浸し、観賞魚用のブクブクでエアレーションするタイプもあるのですが、トマトや小玉メロンのように、盛んに水分を吸い上げ、株が大きく育つ植物の場合には、オーバーフロータイプの水耕栽培装置が適しているようです。パッションフルーツも、水を欲しがり、旺盛に育つ植物ですから、オーバーフロー装置に植え込むのが適切でしょう。
オーバーフロー装置では、栽培槽の水位が常に一定に保たれ、安定した水流を根に当てることができますので、多くの養分を植物に与えることができます。エアレーションタイプやオーバーフロータイプのように、根を培養液に直接浸すタイプでは、根が呼吸できるように、培養液中に酸素が溶けていなければなりません。エアレーションの場合には、エアレーションストーンから出るたくさんの小さな空気により、酸素を溶け込ませています。オーバーフロータイプでは、上部栽培槽に吸い上げられた培養液が落下する部分と、オーバーフローした培養液が下部貯水槽に落下する際には酸素が溶けこむ構造です。
そして私の考えるオーバフロー装置では、更に積極的に培養液に酸素を溶け込ませる方法を導入したいと思います。
上の絵の配管の中にくびれた部分があるのにお気付きでしょうか?そこに秘密が隠されています。
その部分に、あの自動車の世界最高峰レースのフォーミュラ・ワンで使われた技術を再現するのです。
これは、1980年代のフェラーリT4というF1の12分の1スケールモデルですが、上から見ると妙に四角い形状ですね。それは、底面の面積を稼ぐためなのです。
グレー色のシャーシーとエンジンの両サイドにある、赤い部分にご注目ください。エンジンの少し左まではフラットで、路面に対してギャップが小さくなるように設定されています。ところがエンジン部のあたりなどは、大きく跳ね上げられていますね。更に両サイドには、空気を漏らさないようにスカートが付いています。
F1は時速300km以上の速度で(このアングルの場合左方向に、)走行しますが、前から入った空気が、後部の跳ね上げられた部分から吐き出されることで、路面に対するギャップが少ない部分の空気の流速が増し、負圧が生じるのです。結果、F1マシンは路面に吸い付くようにコーナリングすることが可能だったのです。(ただ、スピンした際に、後方から空気が入ると、逆の効果が発生し、なんと、飛行機の如くマシンが宙を舞うことにより、悲惨な死亡事故が起きだことから、F1のレギュレーションによりこの技術を使うことが禁止されました。レース界では、この技術を使ったマシンをベンチュリー・カー、または、底面形状が飛行機の羽の断面形状を逆にしたような形のため、ウイングカーと言われることもあります。)
ちょっと話はそれぎみでしたが、原理的な話しをさせていただきました。
左のように一部がくびれた管を形成すると、断面が最も狭くなった部分で水流速度が最大になります。
したがいまして、生じる負圧もその地点が最大になりますので、そこに小さな穴を開けることにより、負圧を利用して空気を吸い込み混入させるのです。
ただし、穴は大きすぎても小さすぎてもダメだと思いますので、試行錯誤が必要ですね。
もし、「ジュボジュボ」なんて吸気音がしたりしたら(システムとデータの勝負という側面が強くなり過ぎた最近のF1には興味が薄れましたが、)長年F1フリークだった私にとっては、感動ものです。
「ベンチュリー管」とでも言えば良いのかもしれませんが、加工は結構難しいかもしれません。ちょっと調べたところでは、塩ビ管を熱して、柔らかいうちに荷造り用のビニール紐で縛るようです。
暖かくなったら、ちょっとDIYっていうのも良いですよね。それまでに、ホームセンター探検に努めないと!
【2014.11.23追記:関連記事】
水耕栽培装置を作る1(ポンプまわりの実力確認)