20150920秋の一番果実

露地栽培の秋結実の果実は食べられるか

当ブログも、おかげさまで、コメントやメールを通じ、パッションフルーツを愛好する皆様の間でのコミニュケーションの場としての役割を少しは果たすことができるようになってきました。

その中で、今の時期にいただくご質問の中に、『ぶら下がっている青い実はどうされますか?』という趣旨のものがあります。

そんなご質問に対し、これまでの経験から、『パッションフルーツは熱帯性植物ですので、これからどんどん寒くなる時節柄、春~夏と同様な環境では、収穫に至りおいしく食べることはできません。残念ですが果実は廃棄するしかないでしょう。』とお答えさせていただいておりました。

しかし、当ブログへのあるご訪問者様から、信頼できる機関で、未着色の果実を貯蔵し、生食や加工用として利用するための試みがなされていることをお教えいただきました。それによると、青かった果実が紫色に着色した様子が掲載されています。
つまり、『廃棄しかありません。』という私の回答は、少なからず乱暴すぎる可能性があったと感じたのです。

そこで、私も同様に青い実を収穫し、追熟を試みようと思いたったのです。

現在の我が家では、撤収済みだったり、冬越し用にビニールハウス状に改造した棚の中にある株がほとんどですので、露地状態になっている株はこれだけなのですが、20151101水耕栽培まだまだ青々とした葉が目立つため、もう少しこのままにしようと考えていたのです。
このグリーンカーテンは、水耕栽培の株と土耕の株のハイブリッドなのですが、水耕の株の葉がまだまだ青々しているのです。20151101土耕の葉と水耕の葉土耕の蔓に付いている葉は黄色くなってきていますが、この写真の土耕の蔓の左側を覆う水耕の蔓の葉は明らかに青々しています。水耕の場合には、根が浸っている培養液の比熱はほぼ水とかわらず大きいでしょうから、気温変化の影響を受けにくいのかもしれません。
これくらい青々していれば、天気の日には葉は盛んに光合成をし、果実の糖度を上げるように作用しているように思いますので、未だに手を付けず様子を見守っているのです。20151101水耕の果実果実もたくさんぶら下がっています。
もう少したって、多くの葉が黄色くなるタイミングでこれらの果実を収穫し、追熟の確認をおこなおうと考えています。

信頼できる機関の報告ですので、青い果実の追熟が有効であることは、多くの部分で正しいのだろうと思われますが、忘れてはならないのは、パッションフルーツの育っている環境が異なり、まったく遺伝子が同様な株を育てているわけではないということでしょう。

更に、私の場合には、現状の許される環境の中では、水耕栽培の株の果実を用いるという限定条件が含まれてしまいますので、この試みの結果が多くの皆様に当てはまるとは限りません。従いまして、同様な試みをされた多くの皆様の情報が必要となるでしょう。


「露地栽培の秋結実の果実は食べられるか」への15件のフィードバック

  1. これまで冬に収穫される果実(冬実)は酸味ばかりで、生食には全く適さないというのは、私の中の常識でした。
    実際、どの程度ならOKなのかというのは、難しいところですが、試してみる価値がありそうです。

    もしかしたら、次の成果報告がもとになって、25℃貯蔵法による2期作も可能だとされているのかもしれません。
    ただ、そのためには、夏の摘果もある程度必要だったのかとも感じています。

    ひとまず、積算日照時間が12月になって、夏の収穫分と同じくらい迎えそうな分から、試してみようと思います。

    ・国際農林水産業研究成果情報 第14号 【2006(平成18年度)】
    パッションフルーツ冬実中の酸含量を低下させる温度管理法(PDF)
    http://www.jircas.affrc.go.jp/kankoubutsu/seika/seika2006/2006_24.html

    1. 参考になるコメントありがとうございます。

      なるほど、日照積算時間をほぼ同値にすれば、25℃保存法による可能性はあるように思われますね。

      結果がとても楽しみです。

  2. 初めまして~。
    昨年の話ですが昨夏も暑くてあまり出来なくて10月頃に沢山なりはじめて12月葉が黄色くなったら実をみかん・りんご・柿などの中で入れて置きましたら真っ赤に色づき始め試食して見ました。
    チョッと酸っぱい感じでしたが味もしっかりしてて美味しいかったです。今年も又挑戦してみようと思います。

    1. wakobonta様

      はじめまして。

      とても参考になるコメントをいただきまして、ありがとうございます。

      私も、キュウイとリンゴを一緒にしておくとキュウイが甘くなることを経験したことがあります。

      ちょっと調べてみますと、リンゴからはエチレンという植物ホルモンがでるために、他の果実の追熟を促進する効果があるようです。
      キュウイではなくパッションフルーツでも同様な結果が期待できそうですね。

      私もやってみたいと思います。

  3. 有難うございます。是非やって見てください。
    つくづくこの果物は年中食べられるんだなってと嬉しく思いました。
    夏ほど甘みがありませんが香りはしっかりありましたよ。

  4. エチレン処理による追熟法については、試してみる価値ありですね。 パッションフルーツも、りんごと同じく、エチレンの産出率は多いようです。

    (参考)
    新鮮な農産物、花卉類、種苗における エチレンの産出率とエチレンガスの影響度/三愛化成商事株式会社
    http://www.san-ai-corp.com/re_ethylene/gas.html

    もしかしたら、この時期に、熟期促進のために、植物ホルモン剤のエスレル10も使うと、効果があるのかもしれません。
    (参考)
    エステル10/日産化学
    http://www.nissan-agro.net/productSingle.php?ID=13038

    そこで、いろいろ他にエチレン処理を行い栽培されるものを調べていると、イチジクで行われている栽培方法をパッションフルーツでも試してみたくなったところです。、
    傷をつけたり、オイリングというのも試してみるのも面白いところです。
    確かに、これまで傷がついた分は、完熟が少し早かったような感じがします。
    もしかしたら、エチレン処理後に袋かけというのもありなのかもしれませんね。

    (参考)
    ピップエレキバンとイチジクの早どり
    http://potablog2010.blog77.fc2.com/blog-entry-199.html

  5. 秋結実の果実を食することが一般的になれば、パッションフルーツの魅力が増しますので、喜ばしい限りですね。

    我が家でももう少したつと、葉が黄色くなり、収穫期を迎えそうです。

  6. ひとまず、25℃貯蔵法を3つの未成熟果をつかって行ってみました。どれもひとまず玉伸びは終わり、9月初旬、中旬に結実させたものです。
    3個中、1個は綺麗に色づき、1個も少し色づいています。少し小さめの9月中旬に結実させたものは、色づく前に、いわゆる水切れのような症状である、果実がシワシワになろうとしています。
    綺麗に色づき始めた1個は、まだパッションフルーツ独特の表皮からの甘い香りがないので、次の段階として、リンゴをビニール袋に入れてエチレン処理の段階をしてみようと思います。
    これで、あの食べごろの香りが表皮から出るかですね。
    パソコンの排熱を活用してみたのですが、結果が1週間ほどでく出るとは思っていませんでした。

  7. 未成熟果を、25℃貯蔵法で追熟する実験した続報。
    2つ目も綺麗に色づきました。
    1つ目は、エチレン処理(リンゴ・アボカド)を開始し、3日目でさらに色が濃くなり、パッションフルーツ特有のトロピカルな香りが表皮から感じることができるようになってきました。
    この方法で、しっかりこの時期に頂けるなら、出荷調整も含め、年末のクリスマスケーキのシーズンに日本で生のパッションフルーツがいただけるのかもしれませんね。

      1. 12月になりました。神戸はまだ平年より暖かい日になっている2015年ですが、さすがにそろそろ未成熟果も収穫し、25℃室内追熟法とエチレン処理を本格的に試していく時期を迎えそうです。
        現在結実中の分は、ほとんどが9月末までに開花分。それ以降の開花分で結実したものは、数個は残していますが、ほとんど摘果しました。
        自然落下による完熟を狙うのでないだけに、数回にわけて一斉に収穫を行っていこうと思います。
        この方法で、クリスマス用や正月用にするためには、どのくらいの期間が必要なのかということに、今年は目安をつけたいところです。
        収穫後、最低2週間くらいは必要なのではないかとは感じているところですが・・・

        1. 我が家では、まだ摘果せず様子を見ています。特に、水耕栽培の株は葉がまだ青々していますので、もう少し光合成させようと考えています。

          簡易温室(といっても、霜と風が防げるだけですが、)の方は、かなり葉が黄色くなってきましたので、摘果も近いかな?と考えながら眺めていたところです。

  8. もぎ取って2週間段々色づき始め8個の中の2個は小豆色になりました。りんご・キュウイ・みかん・レモンの間に入れ、、台所の隅っこに置きました。
    周りがしわしわになって来ましたが、今月末または月初めには切って味見しようと思います。
    そちらは如何ですか?

    1. 3日前に収穫して、暖かいところに置きつつビニール袋に入れていますが、まだ変化ありません。
      たいぶ水分が出るようで、袋の内側には水滴がついています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください