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OATハウス肥料使用のための覚書

パッションフルーツの水耕栽培は普通にやってもだめかもの中で、プロ仕様のOATハウス肥料をうまく使用することで、パッションフルーツの水耕栽培の成功に繋がるのではないかと結論付けました。

しかし、そこは流石に自由度の高いプロ仕様の肥料です。使用を誤れば効果が得られないだけでなく、最悪は、パッションフルーツを枯らしてしまいそうです。正直言うと、使い方が難しそうで、頭がグチャグチャになっています。
運用面を考えれば、いちいち理屈を掘り返してみたり、電卓をたたいてみたりすることはできません。そんな状態では、本来の楽しみのための時間がなくなります。また、そういったことを毎度繰り返すことは、誤りの元になりかねません。

そこで必要なのは、マニュアル化ですね。濃縮液の作成、培養液の希釈倍率、およびそれらの運用について規定し、そのとおりに作業しなければなりません。・・・この記事はそういった私のための覚書です。

------以下、覚え書き部分------

濃縮液の作成

濃縮液処方

肥料種 濃縮液容量[L] 注1)粉末[g] 注2)濃縮倍率
アミノ1号 2 300 100
2号 2 200 100
5号 1 20 666-1000
9号 2 200 500-1000

注1)粉末[g]は購入単位
注2)OATアグリオ(株)提供培養液処方例(A処方)基準、5号、9号については、処方例の表現に幅があるため、試行検討が必要。

濃縮液作成手順

1)完全に乾燥した漏斗を使用し、保存ボトルに粉末を入れる。
2)保存ボトルに45℃の湯を1L程度注ぎ密封
3)粉末が全て溶けるまで保存ボトルを振る
4)保存ボトルに水を注ぎ容量を満たす
5)保存ボトルを振り、肥料を均一化させる
6)小屋に保管

培養液の作成

培養液は、時期ごとに最適な希釈を使用する。培養液処方例にあるメロンの培養液のEC管理例を参考としている。

希釈倍率と濃縮液投入量

肥料種 ~5月末 ~梅雨明け 梅雨明け~
アミノ1号 200
(20)
118
(34)
200
(20)
2号 200
(20)
118
(34)
200
(20)
5号 666-1000
(6-4)
666-1000
(6-4)
9号 500-1000
(8-4)
500-1000
(8-4)

培養液としての希釈は、4Lジョウロを用いる。(  )内は、4Lの培養液を作る場合に投入する濃縮液量[cc]
投入量を計測するスポイト、注射器の各液併用は避ける。
5号:培養液低濃度時に微量要素を添加する。
9号:開花期前~開花期にリン酸を強化して花芽の萌芽を促す。

PH管理

PH管理に関して、OATアグリオ(株)では次のように述べているが・・・

培養液のpHは5.0~6.5の範囲で管理します。pHが6.5以上になると、マンガンや鉄等の微量要素欠乏が発生しやすくなります。またpHが5.0以下になると、カルシウムなどの吸収が悪くなります。培養液pHの調整には「PH調整剤アップ」、「PH調整剤ダウン」をご使用ください。

窒素は酸性、リン酸は酸性、カリはアルカリ性というように、PHは最終的な各多量/微量要素の割合の影響を受ける。従って、PH値の隔たりは、肥料成分バランスの崩れとして、植物の状態に現れる。
多量要素を主成分とした調整剤によってPHを調整しても、肥料の成分バランスが修正されるとは限らない。そこに調整剤によるPH調整のリスクがある。
そこで、植物に葉色が黄色くなるなどの阻害兆候が見られたときに、培養液の全交換、または部分交換により対応する。(PH測定や調整剤を使った調整はおこなわない)

------以上、覚え書き部分------

このように書いてみると、少し頭が整理できました。ただ、マニュアルにも間違いは付き物ですので、維持管理しないといけません。