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パッションフルーツの挿し木の成長を追う(2014.08.19)

7月19日に10本の挿し木をしましたので、まる一月が経過したことになります。

10本の挿し穂は、全て発根していることを確認しています。8月11日の観察では、挿し穂を挿した時点の新芽の状況により、初期成長の速度が3グループに分かれたと述べましたが、同じ観点で経過を観察しました。

我が家の冬越しスペースを考慮し、6本の育成候補を8月16日に二回りほど大きなビニールポット(15cm)に植え替えたのですが、まずはこちらから見てみましょう。挿し木一か月後(育成候補)①と②は、5cm程度に新芽が成長していた部位を挿し穂にしたものです。現時点の成長は明らかに他より顕著で、多くの葉が発生しています。ただ、現在10cm程度に伸びたかと思える蔓は硬く、木化しています。成長の早い蔓は、みずみずしく柔らかい印象がありますので、今後の伸び悩みも予想できます。
③④⑤は、成長程度に差はあるものの新芽は活性化しています。おもしろいことに、このグループは、挿した時点の新芽の状態が全て異なるものです。③は小さな新芽が顔を出した程度だった部位、④は新芽が1cm程度に育っていた部位、⑤は新芽のなかった部位です。現状の成長速度は⑤>④>③になっていますので、小さな新芽がある部位よりは、新芽のない部位を採取した方が、挿し木の初期成長は早そうだと言えます。この点では8月11の観察と同様な結果です。
⑥については、明らかに成長が遅れています。これは、③と同様に、小さな新芽が顔を出した程度の部位を採取したものですが、いまだに新芽の先は黄色く停滞しており、葉色も他と比べれば明らかなように、黄色がかっています。植え替えの際にわかったのですが、この挿し木は明らかに他よりも根の密度が低かったです。なぜに⑥を育成候補に選んだかと言えば、蔓径が最も太い最もがっちりした挿し穂だからなのですが、それが今後何らかの変化をもたらすかについては、経過を見守っていきたいと思います。

次に、他の4本のおすそわけ分ですが、挿し木一か月後(おすそ分け分)こちらは挿し木した時の小さなポットと用土のままですが、肥料の条件は同一ですし、他の6本を植え替えてからまだ3日ですので、現時点でその部分での差はほとんどないでしょう。
⑧は、新芽の無い部位から挿し穂を採取したもので、新芽が萌芽してきたばかりのようです。他は小さな新芽が顔を出していた部位から採取したもので、⑨⑩は新芽が活性化し成長を開始しています。⑦は、新芽の先が黄色く、停滞しています。
ここで興味があるのは、⑧と⑦の今後の成長ぶりです。現時点では、同縮尺の写真の拡大部を見ればわかるように、⑦の新芽の方が大きいですが、⑦は停滞していますので、成長が逆転するのではないかと予想します。ただし、予想どおりに推移したとしても、その優位性は少ないのかな?と思います。

以上から考えると、一か月時点では、挿した時点で5cm程度に新芽が成長していた挿し穂の成長は明らかに早いが、(最初からあった新芽の伸びた部分が停滞していた時期があったせいか)蔓の木化が見られ、今後の成長が停滞するのでは?ということを新な考察として記すことができます。
8月11日観察においても、今回においても、小さな新芽がある部位よりは、新芽のない部位を採取した方が、挿し木の初期成長は早そうだという結果が得られている一方、(おすそわけ分の4本の観察では、)その優位性は小さいと考えられる結果も含まれています。

ご注意)本記事は、観察内容に忠実に記しておりますが、サンプル数などの問題があり、学術的な正しさを求めるものではありません。