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ホームセンターでパッションフルーツの苗を買いました(行燈仕立て育成記)

私は、近所のホームセンター『カイン○ホーム』を週末に散策する習慣があります。(昨年は、やはり近所のホームセンター『セキ○ュー』でパッションフルーツの良苗を手に入れたのですが、そのお店が閉店してしまい、近場に新なお店を探していたのです。)『カイン○ホーム』も『セキ○ュー』同様に、園芸コーナーの品揃えが非常に充実しており、安価なだけの品は置かない点に好感が持てます。

グリーンカーテンの設置は、なにかと時間に余裕のあるゴールデンウィークにおこなう方が多いですから、ゴールデンウィークである今、グリーンカーテン素材が勢ぞろいの筈だと思っていました。
グリーンカーテンの素材としてはまだまだ一般的ではないパッションフルーツですが、このお店の品揃えならきっとあるだろうと思いつつ、5月3日に『カイン○ホーム』に行ってきました。

そこで、思惑どおりパッションフルーツの苗を発見。アサガオ、ゴーヤなどとともにグリーンカーテンコーナーの片隅にありました。最初、見落としていて「無いや」とボソッと言った私でしたが、コーナーを周回しながらよくよく見るとありました。一パレットしかなかったので目立たなかったのですね。既に、三分の二程売れているようでした。『実がなる』というところにひかれる人が多いのでしょう。パッションフルーツ赤紫苗家に帰って早速植え込みました。昨年の株でグリーンカーテンは設置済ですので、こちらは丸型の鉢に120cmの支柱を4本立て、苗が大きく育つと行燈仕立てになるようにしました。鉢は『楽々菜園380』の支柱フレーム付のものを買いました。支柱フレームを使用すると、支柱を土に挿すというイメージではなく、支柱はしっかり鉢に固定されます。貯水機能もありますので、水を欲しがるパッションフルーツには良いと思います。

この苗は、赤紫種の挿し木苗です。赤紫種は、自家受粉種(=自分の花粉で受粉可能)であるために、実を結ばせるハードルが下がります。また、挿し木苗であるために、うまくいくと今年熟した実を食べることができるかもしれません。
ホームセンターで売っているパッションフルーツの苗は、自家不親和性種(=他の種類の花粉が必要)のため、授粉可能な種の花粉が必要だったり、実生苗(=種をまいて育てたもの)のために、数年は花が咲かなかったりするようなものもあるのですが、このお店の苗は、植物を良く知った人が関わっているのか、初心者でも実を収穫できるように考慮されているようです。

ただ、苗としてはいささか小さいですね。最悪でも秋の花は得られますが、今年の夏~秋に実を食べることができる梅雨明け前までの開花は厳しいかもしれません。秋にやっと開花した場合には、10月末くらいまで実を付けたまま外で育て、その後家に取り込んで翌年収穫(=夏の収穫と比べて熟すまでの期間は長くなります)しようと考えています。その上での行燈仕立ての選択です。

昨年の苗の写真を見てみると、グリーンカーテン(植え込み時)被写体のスケールがかなり異なりますので、比較しにくいのですが、背丈も葉の数もだいぶ違います。

今年中に今回買った赤紫種の実を食べることは厳しいかもしれませんが、まぁ、大切に世話してみます。

【2014.05.20追記】
5月3日の植え込みから、今日で17日目になります。ホームセンターで購入したその小さな苗が、その後どうなったか見てみました。20140520ホームセンター購入苗植え込み時には、鉢の支柱に辛うじて届くかどうか程度の大きさだったのですが、それから10cm以上は伸びましたので、4本の支柱にアルミ線のリングを繰りつけ、行燈の第一段目を設置し、リングに這わせるようにビニールタイで強制しました。最初若草色で柔らかかった根本付近の葉も、徐々に表側に反りを見せ、木化しています。

こちらはグリーンカーテンの株と違って、小さな株からのスタートですので、夏の収穫は期待していないせいか。蔓の先端をよくよく見ることがなかったのですが、・・・ホームセンター購入苗花芽発見なんと花芽を発見!こんな小さな苗でも挿し木苗ならすぐに花芽が付くということは発見でした。今後、花芽を痛めないように誘引しなければなりませんね。立派な行燈仕立てになって、今年の夏と、(冬の間は暖かい部屋で照明を当てながら育てるつもりですので、)来年の春に美味しい実をプレゼントしてくれると嬉しいです。

【2014.06.01追記】行燈仕立ての観察をしました。20140601行燈仕立て主幹は、一番下のリングの半周近くに達しました。つやつやな葉が多く、旺盛に育っていることが伝わるショットかもと思います。蕾と花芽は合計で8個程付いているようです。行燈仕立ての場合には、極力主幹を延ばした方が、全体が整えやすいのではと考えまして、摘芯をしていないのですが、新芽も数本出てきました。新芽は最初は上に伸ばし、二段目以降のリングに這わせようかなと思っています。
行燈仕立てでは、グリーンカーテンなどと比べて、巻ひげが摑まる場所が限られますので、細かな誘引が必要です。蔓がどこにも摑まっていない状態で放置すると、蔓が木化して成長が遅れますので、要注意です。
今のところ、順調に行けば、秋までに20個は果実を収穫できるのかな?という感じです。鑑賞に良し、果実の収穫も可能という点で、行燈仕立ても良いな。という感想を持っています。

【2014.06.04追記】新芽が四つ出てきましたので、支柱に二段目以降のリングを設置しました。20140604行燈リング設置誘引の方針を考えた方が良いのかなとも思うのですが、今は主幹と他の四つの新芽の延び方を見て、行燈全体の風通しと、見た目の整い方のバランスを取っていくということを頭に置いておけば良いのかなと思います。全体的にどれだけ蔓が伸びるか不明ですし、具体的な方針は今は立ちませんね。

【2014.06.07追記】何気なく蕾の育ちを見ていると、異変のあるものを発見しました。何かに表面を食われた蕾表面だけが何かの虫に食べられたような蕾を二つ発見したのです。一帯をよく探したのですが、(家の中に砂糖がこぼしてあったりすると、行列をつくって入って来るのと同じ種の)小さなアリくらいしかいません。アリならば目的は蜜腺から出る蜜でしょうから、アリが犯人とも思えません。だた、そもそもアリによる自然授粉に頼るつもりはありませんので、念のためにアリを駆除する薬剤を、鉢の近くに置きました。
ともかく、様子をみないことには犯人は判りません。安易に鉢を移動したりして、環境を変え、なんとなく状況が改善されるのは良くありません。原因を付きとめ、今後に生かす必要があります。

【2014.06.11追記】小さな小さな苗を植えこんで40日弱が経過しましたが、蕾の表面を何かに食べられている点を除くとすこぶる順調で、元気に育っています。行燈仕立て約40日後葉も大きく青々しています。蕾と花芽を合計すると20個くらいあるでしょうか。開花まであと数日の蕾もあります。
『具体的な誘引方針は立たない』と言っていた私ですが、一発『エイヤッ』と方針を決めてしまうことにしました。
主幹は一番下のリングを3/4周くらいしました。主幹に関しては、リングを周回しきったら上のリングへという方針で誘引していきます。脇芽に関しては、基本的にはまず真上に伸ばし、成長の速い順に高い位置のリングにという方針で誘引するつもりです。
最終的にどのような形になるかは、蔓の伸び方次第ですね。予想より伸びなければ、中途半端な行燈仕立てになることも有り得ます。しかし、夏にかけての熱帯性植物の爆発的な成長に期待しています。

【2014.06.13追記】この行燈仕立ての初開花です。行燈仕立て初開花この花は、6月7日の追記で紹介した表面を何かに食べられていた蕾(2014.06.07追記の写真の左上の蕾)が開花したものです。
この写真は、開花の一時間後に撮影したものですが、どこにも何ら問題は見当たりません。何かに食べられていたのは本当に表面だけだったようです。花びらの下の白いガクの部分も無傷なようです。
最終的には、結実の有無で蕾の表面を食べられた影響を判断する必要がありますので、念入りに人工授粉をしておきました。
明日の朝、結実を確認し、追記したいと思います。

【2014.06.14追記】昨日授粉した花の授粉結果の確認をしました。表面を何かに食べられた蕾が咲いた花の授粉結果子房は少し大きくなっていますので、これは明らかに授粉成功です。従って、蕾が何者かに食べられていたのは、ほんの表面で留まっており、何らかの問題には至っていないようです。

【2014.06.17追記】6月7日追記の写真の右下の蕾が今日開花しましたが、やはり花には何も問題がありませんでした。そこで、人工授粉しましたが、恐らく正常に結実するでしょう。予想と違う結果の場合には明朝追記します。

【2014.06.18追記】いよいよ旺盛に育つ時期になったようです。20140618行燈仕立て蔓伸びる一番伸びが早い脇芽が伸びた蔓は、最上部の黒いリングに『手?』をかけています。他の脇芽が育った蔓も、順次上からリングをうまく割り当てられそうです。主幹はほぼ一番下のリングを一周しましたので、いよいよ上のリングに向かって延ばしていきます。
というような状態で、誘引方針どおりに進めていますが、ここのところの蔓の伸びを見る限り、全体がスカスカで寂しい仕上がりになるということは無さそうです。むしろ、全体の風通しと整い方のバランスがテーマとなりそうです。
『クリスマスツリーのように』という訳でもありませんが、全体のアクセントとして、果実もある程度は欲しいところです。今のところ、主幹に三つ小さな果実があり、あと何個かは花が咲きますが、脇芽の方は、昨日まで最高気温30℃以上の日が続いていたせいか、ダメになってしまった花芽がほとんどです。今日から暫くの予報では、30℃未満という、花芽が育つには最適な環境になるようですので、その間に蕾へと成長するものがたくさん出現することを期待しています。

話しは大きくそれますが、この行燈仕立ての住人をご紹介しましょう。行燈仕立てに住み着くかまきり一週間程前からでしょうか、この『かまきり君』がこの行燈仕立ての同じあたりにいつも居ます。パッションフルーツとっては、悪い奴を退治してくれる良きパートナーですね。『かまきり君』にとっては、まかない付の下宿といったところでしょうか。
たった一株の鉢植えであったにせよ、植物というものは(虫たちの)一社会を作りだすのですね。

【2014.06.27追記】まだちょっとできそこないですが、行燈仕立ての完成の姿が想像できる状態になりました。行燈仕立て6月27日全6段のリングを用意したのですが、そこに割り当てた蔓がリングに沿って這いだしました。巻ひげが長いので、変に葉に巻き付いたりしないように気を配っています。

実は、5個ぶら下がっています。行燈仕立て果実6月27日写真では4個しか見えませんが、一番小さな実の奥の葉の上に更に小さな実がもう一個あります。この4個の実の授粉記録を見ると、日付が一日おきになってなっていますので、この4個の大きさを比較すると、二日間で実がどれくらい育つか判る貴重なショットかもしれません。

だた、順調なことばかりでは無く、この行燈仕立てでは、6個目以降になる筈の花芽が全てだめになりまして、蕾にならないのです。行燈仕立て花芽6月27日花芽がだめになるのは、30℃を超えるような高温な日があった場合か、養分不足の場合だと認識しているのですが、数日は30℃を超えた日があったにせよ、二桁を裕に超える数の花芽が連続してだめになるような期間、連続で30℃を超えたことはありませんし、全体の育ちっぷりを見る限り、養分不足とも思えなく、原因はわかっていません。
パッションフルーツの開花には周期性があるということを聞いたこともありますが、株が育つために、花芽を自ら淘汰しているということなのでしょうか。
写真のように、だめになり続けてきた花芽の最後のものと、元気な花芽が連続している境界を特定しましたので、今後元気な花芽が蕾へと育つかを観察してみたいと思います。

【2014.07.19追記】その後、各蔓は順調に伸び、行燈仕立ては方針どおりの姿になってくれました。20140719行燈仕立ての様子6段のリングを何れかの蔓が一周した状態です。これ以上は風通しが悪くなるので、基本的には剪定の方向ですね。この株は、秋に結実した実を付けたままで、10月下旬頃に室内に移動し、室内で収穫するつもりです。花芽は、蔓が伸びる過程で先端に発生します。ですから、新芽を発生させるためにも剪定をした方が良いでしょう。ただ、新芽が発生すれば更に蔓は繁茂しますので、なおかつ風通しを確保するには、適所でバッサリと剪定する決断も必要でしょう。
ところで、6月27日から観察してきた花芽がだめになる件ですが、その時点であった花芽は全滅でした。そして花芽の発生も止まっていたようです。今年の梅雨は変な気候で、妙に真夏日になるような熱い日が多いのですが、花芽がだめになるのはその影響かもしれません。

どういうことなのか、今日蔓の先端を見てみましたら、再び花芽が付きだしたようです。20140719行燈仕立てに再び花芽が付きだす真夏日になる日が多い中で花芽の発生が再開したのは何故?と考えていますが、もしかしたら、パッションフルーツの『結実率が悪い』『花芽がだめになる』『新芽が育たない』などと、育成の不調を感じていた時期から与え始めたハイポネックスリキダスが効いてきた可能性もあります。ハイポネックスリキダスは、植物の養分吸収力をアップさせ、蔓や根に活力を与えるビタミンを与え、土壌微生物を活性化させる植物活力液ですので、肥料濃度過多を心配する必要はありません。
活力液の効果の程に関しては経過観察が必要ですね。梅雨明け間近ですから、明日あたりからずっと真夏日が続きそうですが、それでも開花結実に至るならば、『活力液が熱さに対する耐性を与えた』と言い切れるのですが、どうなるでしょう。

【2014.07.29】やはり真夏の花芽はだめになるようです。真夏の花芽はやはりだめになるそのへんは活力液ではどうにもならないのですね。真夏に開花となれば新な事実でしたので、残念な気もします。しかし、事実を知ることはもっと大切ですね。この時期の花芽は実に至らないのでバッサリ剪定しても良いということがわかりました。

【2014.08.20追記】その後、剪定もしましたし、挿し木のために主幹の蔓を1.5mも切り取ったりしたのですが、蔓葉が爆走を続けています。その様子は、パッションフルーツの花芽の育つ環境および花芽と蕾の境界は?に記されています。その中で、秋の開花の準備が進んでいることがわかります。