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パッションフルーツの挿し木に再々チャレンジ

挿し木を管理するのに適切な場所は、『風通しが良く雨風の当たらない明るい日陰』だと言います。これって、『矛盾の塊』のような気がするのは私だけでしょうか。一見矛盾と思えることを超えねばならない程に難しいことなの?という疑問が挿し木への興味の始まりでした。だだし、現状は、場所の問題以前の部分でさまよっているようです。

4月末に第一回目そして6月末に再挑戦と、二度にわたりパッションフルーツの挿し木に挑戦しましたが、どちらも全滅でした。請売りの知識で自信満々に望み、打ち砕かれる。・・・まるで人生における失敗例の縮図のようですね。素直に反省しなければなりません。

しかし、このまま終わるのは釈然としません。6月と9月が挿し木の適期という情報もあるのですが、心ははやり、あえて7月に再々挑戦を企てました。

だだし、闇雲に物事を進めても、良い結果は得られません。過去の失敗原因を考えることが先でしょう。推定した原因の対策を取り、再々挑戦の中で検証することにより、最悪でも、失敗原因はそれではなかったと今後に生きると思います。結果が良ければ過去の失敗原因が明らかになるのです。

4月の第一回目は、挿し穂を直射日光に晒すという大失態を犯しました。6月末の再挑戦時は、発根まで10日程かかるのに対し、一週間で挿し穂が全滅でした。そのことから、根が無いことに長時間耐える体力がない挿し穂だっただろうと考えています。この時期は蔓が良く伸びるのですが、挿し木に再挑戦時は挿し穂の採取位置には注意したつもりだったにも関わらず、知らず知らずのうちに株全体への影響が少ないようにと蔓の先端に近い位置から挿し穂を採取してしまったようです。つまり、ケチったのですね。

それぞれに、異なる失敗を犯していたと思いますが、再々チャレンジでは、挿し穂を直射日光に晒すということをしないのは勿論として、挿し穂の採取位置に注意を払わねばなりません。

イメージ的には、極力蔓が太く硬く、葉が大きく肉厚な挿し穂は体力があるように思えます。蔓を見ますと、蔓の根元に近い位置ほど、この要件を満たします。

今回は、行燈仕立ての株とグリーンカーテンの株から挿し穂を採取しました。
まず、行燈仕立てでは、主幹の極力根本に近いところから挿し穂を採取全6段のうち、第1段目と第二段目のリングを周回させていた、主幹の蔓の根本から約50cmの位置から採取しました。採取した蔓の長さは1.5m程度でしょうか。流石に実を捨てるような位置では切れませんでした。
蔓を採取する前の行燈仕立ての姿はこうです。20140719行燈仕立ての様子全てのリングを何れかの蔓が周回し、茂り具合は完成形になっています。この行燈仕立ての約60日前の、
20140601行燈仕立てこの写真の丁度先端あたりの場所で蔓を採取したことになりますので、実を失うことを避けた点に目をつむれば、この株では最も古い部位からの採取と言うことができます。
一方、グリーンカーテンの方は、実のすぐ近くで挿し穂を採取一番元気で、葉も大きな蔓の実を失わずに済む位置からバッサリと切り取りました。こちらは、再挑戦時に使った蔓ですが、新芽を出させるために残しておいた更に根本に近い部分からの採取になります。蔓の採取長は約1mです。

こうして採取した蔓を挿し穂に加工し、ビニールポットの土に挿しました。本数は10本です。20140719に10本挿し木前回までは、水苔を用土の代りに使っていましたが、今回はインターネット上で発根実績が確認できている挿し木用土を使っています。挿し木用土に必要な条件は、水持ちと水はけが良く、肥料分を含んでいないことです。私は「挿し木に◎」と表示されているものを選びました。水苔は悪い筈はないと今も思っていますが、過去2度の失敗の際に使用していた共通項ですので、今回は排除しておくことにしました。

一般に6月と9月が挿し木の適期と言われている中で、夏も本番になろうとしている7月に再々チャレンジに踏み切った理由は、芽吹いている部分で挿し穂を作成挿し穂を採取する部位に新芽が多く見られたことです。現時点では、これも請売りですが、芽吹いた挿し穂を使うことがパッションフルーツの挿し木成功のポイントらしいのです。
今回の10本の挿し穂には、芽吹いていないものも含まれていますが、芽吹いた挿し穂の優位性を確認した時にこそ、『請売り』は『実績』に代りますので、そこを検証してみたいと思ったのです。

どうも私の文章には、『検証』という単語が多くなってしまいます。これも昔は技術者だったせいでしょうか。

とにかく、今度こそ挿し木を成功させてみたいものです。我が家のグリーンカーテンの株は現在2年目ですが、結実率が55%と明らかに昨年を下回っています。ですから、来春は株を更新したいのです。
そして何より、苗を確保しないと、冬の間の室内での楽しみを失ってしまいます。

妻は、過去二度の失敗を目撃していますので、『苗を買えばいいじゃん!』と再々チャレンジの意気込みをどうやら低評価しています。しかし、『でも、それが楽しいのよね』とも言っていますので、落第だけはぎりぎりのところで踏みとどまったようです。

【2014.07.23追記】19日に挿しましたので、今日で5日目になります。挿し木の新芽2014072320日の写真ので囲った新芽を比較してみました。一枚目の葉が少し大きくなり横に伸びてきました。その他の幼葉も大きくなっています。まだ発根するような次期ではありませんので、挿し穂が最初から持っていた養分と水分で育っているのでしょう。根が無いなりに水分を吸い上げている証拠ですから良い傾向ですね。全体として青々して元気ですが、手前に見える切り口が乾燥しているのが気掛かりです。
発根する頃には新芽の成長が停滞するそうですが、新芽が養分を使うことが、発根を促進するのでしょうか。

【2014.07.29追記】挿してから丸10日経ちましたが、挿し穂は全て元気なように見えます。挿し木2014.07.29そろそろ発根していても不思議ではない時期です。そこで一部を掘り返してみました。挿し木発根

やりました。発根です!
5本確認してみましたが、4本が発根していました。発根していたものの中には根が数本顔を出した程度で、発根が始まって間もないと思われるものもありました。きょう発根していなかったものも、葉は元気なのでこれから発根する可能性が高いと思います。
尚、今回は挿し穂の土に挿す側の端面に発根促進剤ルートンを使用しましたが、発根したものは、全てルートンの塗布部を避けるように発根していました。これには不思議な印象を受けます。塗布部から盛んに発根するとばかり思っていました。そういう物なのか、あるいは効果の有無がどうだったのかが疑問です。しかし、多くの比較検証をこなさない限り、発根促進剤使用の優位性の有無については言及すべきではないでしょうね。
芽吹いた挿し穂の優位性の有無については、少し時間をおいてから結果をご報告したいと思います。

発根という目的に対しては大成功で終わる可能性が高まりましたが、今回は挿し木用土を使っていますので、再三ミズゴケを用土代わりに使うことを推奨してきた私にとっては心残りな部分があります。
その後ミズゴケ使用の挿し木のプロセスを良く考えたのですが、ミズゴケに挿すという行為自体が失敗原因だったと推定しています。つまり、挿すと言っても、事前に穴をあけてそこに挿し穂を入れる行為なのですが、使用したカップの硬さも相まって、挿し穂がミズゴケに十分に接触しなかったことが考えられます。ミズゴケを使う場合には、挿し穂をミズゴケで包む⇒カップに入れるという手順が正しいと思います。
今回の場合には、挿し木用土は水分により流動性が生じるために、挿し穂に土が十分に接したのではないでしょうか。
ミズゴケ使用の挿し木については、別途確認しようと思います。