これは何者だ?

私の育てているパッションフルーツは、紫100、ルビースター、エドゥリス黄実、黄果皮ジャンボ、赤紫果皮ジャンボの5種ですが、これらは、7~10cmと花のサイズこそ違えど、ルビースター秋1開花1時間後このように白を基調に内側に紫色が入るたくさんのひげのような副冠と、白い花弁と萼を特徴とした花を咲かせます。そして、これらの種の全てが、トケイソウ科パッシフローラ・エドゥリス属の亜種ということになります。一般にパッションフルーツとは、パッシフローラ・エドゥリス(=クダモノトケイソウ)の実を指します。「エドゥリス」とは、「食用」という意味です。

一方、直径100mm~120mmになるこの花の画像を見ると、その派手さからか、まずは「何者?」と思ってしまいます。形的には「ひっくり返ったイソギンチャク」のようでもありますが、花弁と萼を見る限り、トケイソウ科の花のように見えます。

パッシフローラ・アラタ
画像提供元:フラワーショップ江口
注)2014.11.02時点出荷保留中、再開未定とのこと

しかし、その色合いはエドゥリスとは一線を画します。花弁と萼は薄紫~紫色で、先端が紫色の副冠には、

パッシフローラ・アラタ拡大
画像提供元:フラワーショップ江口
注)2014.11.02時点出荷保留中、再開未定とのこと

白と紫の横縞が入り、その派手さが目を引きます。
花の香りは、さながら「強い西洋石鹸」で、室内で開花すると、部屋中に香りが広がるそうです。

これは、パッシフロラ・アラタ(passiflora alata)という種です。トケイソウ科パッシフロラ・アラタ属に属するもので、このように派手な色合いで、副冠を垂らしたように咲く亜種全体をブラジルトケイソウということもあるようです。長さ12cmと、黄果皮ジャンボや赤紫果皮ジャンボを凌ぐ大きさになるアラタの実も食用ですが、酸味が少なく甘いのが特徴で、スウィート・パッションという異名で呼ばれることもあります。

以上のように、アラタについて調べてくると、私には魅力的に映ります。異彩を放つ花、大きな実、要は、未体験のスペックに好奇心をくすぐられるのです。

そこで、アラタの栽培について調べたのですが、結果的に言うと、残念ながら、「フラワーショップ江口さんが出荷保留としている理由の一旦が見えた」ということになってしまいました。

基本的に、高温多湿に弱く、日本の夏の環境には適さず、更に、とにかく結果率が悪いようです。一応、自家不親和性とされていますが、じつのところ、(アラタには自家受粉性のある株も存在するらしく)自家受粉での結実も確認されているのですが、何れにせよ20%程度の結果率のようです。

多くの実を得ることが目的ならば、スペース効率が悪くなるのは間違いなさそうですが、派手で異彩を放つ花がお目当てであれば、お勧めの種とも言えそうです。

私の場合には、収穫に拘りたいので、敷地面積50坪あまりの小さな一戸建てに住むという環境を考えると、ちょっとアラタにスペースを割くわけにはいかなそうです。


「これは何者だ?」への4件のフィードバック

  1. 多分、私が最初に買ったのはアラタです。パッションフルーツは知っていたケド育ててみたいと思っていた時期に花市でパッションフルーツという名前で売られていたのがアラタでした。お店の人に尋ねても品種名は判らないという事でしたが出初めはそんなものだと思いつつ購入^^;花の馨はとても良いのですが・・・花粉を筆で付けてみましたが実は出来ませんでした。台風のせいだと思っていたのですが、知り合いの家には大きい株のものがあったので訊いてみたら、やはり1度も実は付かなかったそうでした。年月が経って熱帯果実の本も数冊見かけるようになり、ネットで検索してみるとパッションフルーツとして売られている品種とは別物だと解りましたが・・薫りは強香でフルーティー。好きな馨でした^^懐かしいです。

  2. 栽培経験がないため、具体的には言えませんが、アラタの花にはエドゥリスにはない魅力がありそうですね。
    アラタの果実は甘く大きいのでとても魅力的ですので、安定した結実率を確保する方法があれば更によいのですが・・・・。

    1. 返信コメントありがとうございます。
      (初のコメント↑で、御挨拶もしていませんでした!スミマセン)
      アラタの実は甘いのですね?食べてみたいです!
      実が少し大きくなってきている?と思っていても
      いつの間にかポロリと落ちていたので「あの」パッションフルーツでは無いのかとガッカリしていましたが
      食べられる大きな実が成ると判ると
      育ててみたくなりますね^^;
      (フェイスブックの使い方も知らなかったので@@;
      フェイスブックの方でも失礼しました;;ごめんなさい。)

      1. Kei様

        挨拶云々は気にしないでください。
        似た興味を持つ方のコメントは、形を問わず大歓迎ですよ。

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